一般社団法人ナースステーションおきなわ

 沖縄で新規開業する、訪問看護ステーションと、ソーシャルワークナース事業の立ち上げ準備や、思いなどをずらずらと綴っていきます。
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夏風邪に思う、離島医療と薬

看護師介護・福祉健康・医療

夏休みを利用し内地から来沖した友人家族。
子供の1人は手足口病、もう1人はヘルパンギーナ。
どちらも子どもの夏風邪として多いようです。
旅先で体調悪いのはつらいですね。はやくよくなりますように。

夏風邪に思う、離島医療と薬


こんにちは。
想いを繫ぎ 笑顔を増やす 
メッセンジャーナース 鶴田恵美です!


夏風邪で思い出した、小さな離島の診療所にいた頃のエピソード。
その島には診療所が一つあるだけでした。
妊婦さんをはじめ0歳児〜100歳を越える高齢者、
幅広い患者さんが外来に来られます。
当たり前ですが、健康な方はほとんど診療所には来ません。
顔見知りになるのは病弱な子どもとそのお母さん、
そして高齢者とその家族。診療所はいつも“常連さん”で溢れていましたガ-ン

島の子供たちは、やはり島に一つしかない保育園に入っているので、
1人が風邪をひくと、あっという間に他の子にもうつりました。
それこそ、体の弱い子の場合は、毎週のように体調を崩し、
そして薬を求めて診療所に来ました。
そしてその度に、咳がでるから止めて欲しい、鼻水も出る、
熱が出た時の薬も欲しい、等々訴えます。
咳止め、去痰剤、解熱剤、抗生物質など多くの薬が処方されていきました。

・・・皆さんご存知でしょうか!?
風邪はウイルス感染によるものが多いのです。
抗生物質は細菌感染の場合に効果があります。
風邪に細菌感染を併発することもありますので、
抗生物質の処方が出る事は間違いでもありません。

ですが、私達には持って生まれた自然治癒力があります。

体内に病原体が入った場合に、
それに打ち勝とうと体の免疫力が働いてくれます。


その結果、鼻やのどの粘膜についた病原体を外に出そうと鼻水が出たり、
くしゃみが出たりします。
そして発熱も、体内に入った病原体を殺菌し体を守ろうとする
正常な免疫システムピカピカなのです。
よく、食中毒を起こしたら、下痢止めは使用せずに
溜まった便は出し切ったほうがいいというのも、
菌を体内に留めないという理由からですねびっくり

ですから、ちょっと風邪をひいたらすぐに薬を・・という安易な考え方は、
その時はいいかもしれませんが、長い目で見ると危険な事もあります。
例えば、何度も同じ抗生物質を使用する事で、菌は耐性を持ちます。
耐性を持つと、薬が効かなくなりますね。
そして、効かないから別の抗生物質を使うことにしましょう、となります。
それを子どものうちから繰り返していたらどうなるでしょう。

解熱剤で、体内の病原菌と戦っているのを無理矢理押さえ込む。
一時的に熱は下がるけれども、また熱が上がりだしてしんどくなって、
8時間待ってまた解熱剤の頓服を飲む。
なんだか熱が上がったり下がったりするだけで、よけい体に負担がかかる気がしませんか?

もちろん、どの薬も上手に使えば安心です。
私も頭痛時には痛み止めを服用することもあります。
考えていただきたいのは、ただ闇雲に薬を服用することがいいのかどうかカプセル

医師からしても、診察にきた患者に対して
「自然の力に任せて様子をみましょう」という事はほぼないですし、
薬を処方するのは当たり前だと思います。
我が子の状態を、病院にもいかずに様子をみてもいいのか
判断に困る事もあるでしょうし、処方された薬であれば安心して服用するのは
患者としては当たり前かもしれません。

ですが、もしも、○日までには治さないと!とか、
数日安静にしていたら治るだろうけど
強制的に薬で治そう!とかいった気持ちがあるならば、
ちょっと考え直してみて下さいね。

きちんとした体調管理や予防を大切にしてください。
最近は夜更かしする子どもも増えているようです。
でもやはり、十分な睡眠は体を整えるためには必要な事ですからパー

薬が病気を治す、という考え方から、
症状を緩和する為の薬、という考え方に変えてみましょう。
そして、基本的な事。
体を整えるのは日々の暮らし。
まずは暮らしを見直してみませんか!?




振り返ってみると、あの島の診療所で働いていたとき、
医師の横で診察についたり、検査の介助をしたりしていましたが、
医師が問診をして、胸の音を聴いて、喉を診て、薬を処方して・・

その一連の流れ作業的な外来業務の中に、
ゆっくりとお母さんの話を聴く時間はなかったような気がします。

どのようなふうに、病気に感染するのか。
感染を防ぐ為にどのようなことを気をつけるのか。
なぜ下痢するのか、なぜ熱が出るのか。

小さな島に住んでいるからといって、都会の人々に比べ無知なわけではありません。
今ではネットもあるし調べたい情報は得る事が出来ます。
でも、そこに自分の意識のアンテナを合わせていなければどうしようもありませんし、
知り得たとしても、島の限られた選択肢の中では選びようがない現実がありました。

実際に、診療所は一つしかないのだし、
そこの医師とはずっと付き合っていかなくてはなりませんぶーん

患者という弱い立場にあると、
医師に変な質問をして怒られないだろうか?
治療に口出しして気分を害されたりしないだろうか?
などという思いは誰もが抱くと思いますうわーん

あの時、看護師としてただ外来業務を時間通りこなすのではなく、
一人一人の生活背景だったり想いだったりを聴いて、
それを医師に繋ぐ事が果たして出来ていただろうか・・

小さな島の密接な人間関係。
距離が近くに感じられる、そんな温かさがいいなと思って島に渡ったのに、
そこでしていた看護はなんと無機質だったことか・・
そして外来で看護師が+αを取り入れる事がどんなに難しかったか・・

看護の本質である“目の前の人、そのものをみる”ことは、
看護師自身の意識の問題でもあるのかもしれません汗

どのような場所でも大切なものを見失わない事。

これは看護だけにとどまりませんが、常に意識していたいものですピカピカ












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この記事へのコメント
物事に対して
真摯に向き合う
大事ですね
Posted by やま at 2017年07月26日 11:00
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